享保十五年、将军家の日光御庙御修复の任が柳生藩に命じられた。柳生藩の当主対马守や源三郎、源之丞兄弟はその莫大な费用の捻出に、百歳を超える一风宗匠に智恵を借りに出かけた。「柳生家には千万両の财宝あり」との一风の答え。その所在は伝家の名刀干云丸にしるしてあるという。しかし、时すでに遅く干云丸は司马卜伝の娘萩乃の婚姻の引出物として江戸にとどいているころだった。柳生藩の急场を救うため源之丞が江戸へ向ったが、事情をうちあげない源之丞に怒った卜伝は司马、柳生両家の试合で解决を迫った。源之丞の力は胜ち、约束通り干云丸を手にした时「待った」の声とともに现われた只眼只手の怪剣士丹下左膳。左膳は偶然会った萩乃の清纯な美しさに惹れてやって来たのだ。源之丞に胜负を挑む左膳、飞ぶ柳生の秘剣天狗抄飞切りの太刀、一瞬早く左膳の濡れ燕の豪剣が源之丞の左腕へ……源之丞を破った左膳は娘...